「それより仕事の方は?
上手くいったの?」
「えぇ。あの絵画はレプリカのものとすり替えてきました。
2枚目の絵画はもともと存在しない完全な偽物ですがね。」
「え…?」
「あれは私が書いた偽物ですよ。」
あの絵を見て感動していたなんて口が裂けても言えない。
「や、やっぱりそうなのね。
というか、今考えたらオークションに行く必要なかったんじゃないの?」
「あれはお父様主催のオークションですから。
出来るだけ高値で落札させてから偽物と入れ換えろというのが今回の仕事でした。」
クソ親父め。
結局私は全く仕事の内容を把握しないまま踊らされていたわけだ。


