結局、連絡先を交換して社長のもとを後にした。 あの感じだとしつこく言い寄ってくると思ったのだが、思いのほかあっさり返してくれたということは、やはりどこか私を警戒しているのだろう。 「やっぱり腐っても社長か。ただの馬鹿デブではないみたいね。」 「そうですね。それでもお嬢様はしっかり仕事をしてくれましたよ。」 「…!!あんたいつのまに…」 ビルの外に出て独り言を言ったつもりだったが、気づくと右側に執事がいた。 「ずっと見ていましたよ。それでは帰りましょうか。」