詐欺師の執事と嘘つきな私。



「あの-…それでその絵は今どちらにあるんですか?」

「奥に置いてあるよ。」

デブの指差した方向にはドアがある。
あのドアの向こうというわけか。

「なら早速見せて…」

「タダでというわけにはいくまい。なにせ1億6000万だ。一般人なら拝むことすら難しい代物だぞ。
そうだな-…体で払って貰おうか。」

顎に手を当ていやらしい顔で考えたふりをしたこの男の姿は、モザイクなしでは目も当てられないような顔だった。
本当に気持ち悪い。