詐欺師の執事と嘘つきな私。



「え、あ、大丈夫です。」

突然の遭遇に驚いたが、これはチャンスだ。

「大丈夫ならよかった。それじゃ僕はあいつらに見つかると面倒だから行くよ。」

「…あの。社長さんですよね?実は私近くの美大に通ってて、今日社長さんが落札したって噂の絵画を一目見せて貰おうとここに…
ダメですか?」

精一杯の上目遣いで可愛さをアピールする。
自分でやってて気持ち悪いが。

社長は、私の体をなめ回すように見ると、
「…よし!わかった。見せてあげるよ。んじゃとりあえず僕の部屋へ行こうか。」
と言ってきた。

どうやら彼のお眼鏡にかなったようだ。