だって、松崎とは肝試し以来話してないんだもん…。

わたし、肝試しでなにかやらかしたかもしれないし…。



それにさあ…。

男子に間近で水着姿を見られるって、すっごい恥ずかしいんだけど…。



…しょうがないか。

松崎をさがそう。


「松崎ー。どこー」


やる気のない声で、あいつを呼ぶ。


「もう…。どこにいんのさ…」


ふらふらと歩きながら、ため息をついた時。


「あ、いたいた」

「え?」


走ってやってきたのは、松崎だった。


「もう! どこにいたのよ!」

「岩かげ」

「はあ? なんでそんなところに」

「涼しいし、静かだし、落ち着くから。ここら辺にいたら、俺はのんびりと過ごせねーんだよ」

「…ふーん」


軟弱だな…とか思いながら、松崎を見る。


「!?」


そうしたら、いきなり頭の両側をこぶしでぐりぐりされた。


「痛い~。何すんのよ~…」

「今、お前からバカにしたような視線を向けられたんだが?」


げっ。ばれた。

何でわかったの?

こいつ、エスパーでもあるわけ?