お嬢様は家出少女




ことは、翌日の練習も終わってからおこる。

昨日より2時間も早く練習が終わったから、なんでだろうって思っていた。


ご飯もお風呂も終わっても、まだ時間は8時過ぎ。

「今日は早く寝ろ」ってことかな?

でも、なぜか、強制的に全員浴衣を着ろと言われた。

これって、なにか意味があるのかな?



部屋に帰ってから10分ぐらい過ぎた頃、「ホテルの入り口付近に集合しろ」という伝言がまわってきた。

他の人にも伝えてから集合場所に行くと、もうほとんどの人が集まっていた。


そこで、浴衣を着ていたのは女子だけじゃなかった。

男子も全員浴衣を着ていた。

男子も強制なのかな?

そんなことを考えていた時、部長2人が口を開いた。


「みんな集まったね!」

「では早速!」

な、なに…?

前も、こんな感じで『パートナー』のことを知らされたし。

あぁ、嫌な予感が…。

「毎年恒例!」

「肝試しーーー!」

「「「「いぇーい!」」」」


……肝試しぃー!?

なんでよー!


…実はわたし、暗いところやお化け、怪談とかがダメなんだよね。

肝試しなんて、ぜっったい無理!

なんで部の合宿で、肝試しなんてやるのよー!

あっっりえない!

もう、意味わかんないよー!


でも、隣の理沙はというと…。

「やっった! 肝試し! わたし、超得意ー!」

そして、そんなわたしに、部長がさらにおいうちをかけた。

「もちろん、肝試しはパートナーと一緒にまわってもらいまーす!」

マジですか…。


大っっ嫌いな肝試しを、松崎とまわれと?

そんなことしたら、わたし、どんなに松崎に迷惑をかけるか…。

あぁー。


松崎を見ると、やっぱり涼しい顔をしている。

…あいつが肝試し苦手なわけないね。