お嬢様は家出少女



「着いたぞー!」

「「「わーい!」」」

…ようやく着きました。


結局、わたしは誰とも一言も話すことなく、3時間をバスで過ごした。


あの空気のなんと重苦しかったことか。

バスを出て、ようやく開放されたって感じ。


のびをしてリラックスしていた時。

「実織ー!」

「理沙!」

理沙が駆け寄ってきた。

そうよね、理沙もわたしと同じで誰ともしゃべれなかった!

そんな思いで、笑顔で、理沙と話そうと彼女のほうを向く。

しかし…。

「バスの中、楽しめた?」

理沙は、とびっきりの笑顔でそう言ってきた。


…理沙さん?

なんでそんなにいきいきなさっているんですか?


隣は嫌いな中井だったんでしょ?

どうなさったの?


「楽しめるわけないでしょ…。隣は松崎だよ…?」

わたしがうんざりしながらそう言うと。

「えー、そっかー、それは残念だったねー!」

…なんで他人事みたいに言ってんの?

「理沙だって、隣は中井でしょ…?」

「それがさー、話してみたらすっごくいい人でねー。仲良くなっちゃった!」

「中井のキャラが嫌いなんでしょ…?」

「キャラ? あー、そうそう」

やっぱりいやなんだよね!?

「中井のキャラって超おもしろいよねー!」

理沙さん…。