お嬢様は家出少女



「えっ、おとなりさんが、誰なのか知りたい~?」

「うん、名前、知らないんだ」

翌日の昼休み、理沙に話して、おとなりさん探しを手伝ってもらうことにした。

昨日、探そうと思っていたんだけど、理沙に校内を案内してもらっていたら、忘れちゃったんだよね。

「そんなにかっこいい人なの?」

「うん。芸能人みたいだった。顔がすごくきれいに整ってて」

「へ~」

昨日、先輩かもしれないと考えたから、2年生と3年生の教室を見回ってるの。

「うーん、いないよー? そんなかっこいい人」

「そうだね~。じゃあ、もしかして同級生なのかな…」

そんなわけで、1年生の教室に移動して、捜索を続けることに。

そして、どうやっても見つからず、自分の教室に戻ってきた。

「あーあ、結局見つからなかったなー。どこにいるんだろう…」

「うーん…。…ああ!?」

「え?」

理沙がいきなり叫んだ。

なんなんだよ、一体…。

「ちょっと、あれ…」

「はあ?」

しょうがなく、理沙の指差す方向に目を向けた。

すると…。

「…!」