―綾side―


「うーん、外を歩くのは気持ちいー!」

手をのばすと空に手が届きそう。

わたし、白百合綾。

世界に名をとどろかす白百合財閥の一族。

でも今、わたしがいるのは、その白百合家から遠く離れた町。

しかもたった一人で。

なぜって?

それは………家出中だからなのだ!

これはだめ、あれはだめ…ってもう!うるさい!

したいものはしたい!

そんなわけで、夜中に家を抜け出してきた。

お金は大丈夫。

銀行に、わたしの今までの莫大な貯金があるから。