「混沌とは、自ら命を絶ったモノ達の集合体です。そこにとりこまれると、永遠に輪廻の環から、外れることになってしまいます。…あぁ、もうきてしまいましたね…」 え? なにが… 井上がため息をつくと同時に、部屋の照明が全部バチバチッと消えてしまった。 暗くなった部屋の中には、なんにもないはずなのに… 「ぐおぉぉぉぉ…」 大きな丸い塊から、何本もの手が生えているのがわかる。 「な、なに、あれ…?」