この人が近藤勇。いつか見た写真と同じ人だ。

渚はまじまじと近藤を見つめた。


「本当は新撰組局長を簡単に教えるもんじゃねぇけど。…お前には教えても良いと思った。」

「何故?」

「何故だろうな(笑)」


訳がわからない。渚はそんな表情だった。

人を信じることもせず生きてきた渚には、何故こんなに簡単に信じることが出来るのか分からなかったのだ。


「君が不思議な少女か。先ほど歳から少し聞いたよ。」

少し近藤が渚に歩み寄る。


サッ


体が勝手に後ろに避けた。
土方にも沖田にもこの症状は出なかった。



「渚ちゃん?」