「それでそんな珍妙な服装をしている訳ですか」

男は渚を下から上まで眺めたあと…

「その赤い模様も未来の服装ですか?」

すべてお見通しだというように微笑んだ。
赤い模様。それはついさっき渚が斬った相手の返り血だった。

「初めからわかってたんだろう。だから私をここに連れてきた。」

渚は小さくため息をついてから…

「私は袋のネズミって訳か。囲まれてんな。」

諦めたように笑うと、男を見てため息をついた。

「やはり気付いていたんですね。だそうですよ。土方さん。」

男は周りを見回して声をかけた。

すると男と同じ浅葱色の羽織をきた人たちが出てきた。

そしてあっという間に団子屋は男たちであふれかえた。