「タイムスリップは時を越えてしまう現象のことだ。今は西暦何年だ?」

男は訳がわからなくなっていた。そりゃそうだ。いきなり表れた可笑しな女が時を越えてきたとは。

「い…今は文久3年だ。」

「文久か。まあ簡単に言うと私は今が江戸なら、その次の明治、大正、昭和、の次の平成からきた。」

目の前の男はポカンとしてしまった。

「それは未来から来たと今がいうことですか。」

「驚かねーのかよ」

あまりに冷静な男に渚の方がびっくりした。

「驚いてますよ。ああだからか。」

突然男が大きな声を出して立ち上がり渚に詰め寄った。

「だからあんな不思議な箱を持ってたんですね」

「ああ」

男は一通り納得したあと視線を渚の服に向けた。