「はへはひんへふは?」

お団子を食べに来たのはよかったが…。

もうこの問いかけは五回目だった。

口いっぱいにこれでもか!とばかりに団子を詰め込み食べまくる。よくはいる口だ。

渚も食べた方だった。普段あまり食べない渚にとって、団子は二本で十分だった。

そんな渚に男は『食べないんですか?』と聞いてくる。男の手には十五本目の団子が握られていた。

「…もういい」

ゴクンっ。と団子を飲み込んでからお茶をすする。

「もういい。ってまだ二本しか食べてないじゃないですか。」

まるでたくさん食べる方が普通で、渚が可笑しいというかのように男は不思議そうに訊ねた。

男の食べる姿はまるで子どもが好物を食べているよう。渚はそれだけでもう胸焼けがしてくるのだ。