「えっ!いいんですか?やったー!」
男の目がキラキラ輝いた。本当に嬉しいようだ。何処かの子供のようだった。
「どうやって開くんですか?さっき光ってたのはどうするんですか。」
手に取るなり渚にすごい勢いで質問してきた。
本当に興味津々で知りたくてたまらないのだ。
「…えっ。ああケータイしんねーのか。当たり前だよな。」
やっと現実に引き戻された感じだった。
「けーたいって名前なんですか?」
「ああ持ち歩ける電話だ」
「でんわってなんですか?」
「ああ!電話もねーのか。不便な時代だな」
男の質問攻めに苛つき気味で…というよりもキレていた。
「ところで…」
ケータイを渚に返しながら男は微笑みながら渚を見つめた。



