――キン!
相手の刀を受け止めて、跳ね返して。
かわして素早く相手の懐へ入り、首筋に刀を当てた。
回りがざわめき出す。
浪士の流派は分からなかった。
北辰一刀流に似ているが少し違った。そのことに渚は驚いた。
「あんたただのおなごでは無いな。何もんだ。」
浪士の1人に尋ねられた。しかしここで答えてしまうと後が面倒だと思った。
…しかし。逃げたら負け…かぁ。そんなことは絶対にしたくないのが渚である。
それも自分で決めた事だった。
「いけー!!」
イッキにきた。十何人?いや。ここからでは分からなかった。考えるだけ無駄。
かわす
受ける
跳ね返す
切る
…
それをどれくらい繰り返しただろうか。渚の回りは血だらけだった。
しかし渚は怪我1つしてない。全部返り血だった。



