――キン!
刀と刀のぶつかり合う音が響いた。
いつの間にか渚は刀を抜いた男たちに囲まれていた。
15人は越えるくらいの人数だった。
私がこの気配に気づかなかったとは…。背中に冷たいものがはしった。
どんだけ鈍ってんだよ。自分でもバカだと分かるくらいのツッコミを入れてしまう。
しかし渚は何故かこの状況なのに、心が嬉しさと感動でいっぱいだった。
渚はここが幕末だと気づいたのだ。
そして今目の前にいる奴等は浪士だろう。と渚は思った。
渚は刀を構えた。相手の流派は分からない。
でもだからってなんだよ。私は喧嘩上等だ!
だてに雷雨の総長してたわけじゃねえからよ。
自分に気合いを入れる。
うおー!と唸りながら一人がきりかかってきた。
売られた喧嘩は買う。
それが渚のやり方なのだ。



