「総長!マッポに気付かれたっぽいっす。」
一人の青年が後ろを振り返り隣を走る誰から見てもリーダーだとわかる女に声をかける。
「わかった。ここからルート二手に別れるぞ。いつもんとこで合流だ。分かったか?」
「「「はい!」」」
リーダーの一声にさっきまで群集していたバイクがバラバラと走り去っていった。
暴走族『雷雨』の総長。
近藤渚 高校2年
ここらではなの知れた暴走族のリーダーで負け知らずの彼女は、『雷鬼』と呼ばれ恐れられている。
高校生である彼女だが、まったく行っていない。
普段は倉庫にいるか喧嘩してるか、
バイクで走ってるかなのだ。
免許は一応持っているのでそこで捕まることはないが、毎回追われているのはスピード違反である。
彼女いわく、「あんなの守ってられるか」だそうだ。まあ暴走族は暴走しないと暴走族とは言わないのだ。
警察から逃げ切ると言うのも1つの遊びの様なものである。