屍鬼-shiki-



「言っちゃいけねぇのかもしんねぇけどさ。
アンタ、全然怖くねぇよ?
睨んだって怯えねぇし。
白龍ってそんなモンなんだ?へぇ……」

あはははははははは。
今度は睨んだヤツの左隣が笑った。


「コイツ面白ぇな。
……ってあれ、憐?」

あたしの名前を知ってるってことは……。
もしかして、燐……。
こんなトコで会うなんて。

「やっぱお前怖いモンなしだな」
そう言ってあたしの傍にきた。

「あのことは黙ってっから」
あのこととはあたしが屍鬼で鬼龍の総長ってこと。
「うん」と呟く。

「てめぇ……、オレに向かって……」

ん?なんか震えてる。
怒りで振るえてんのかな。
どんな風に怒んだろ、楽しみ。