屍鬼-shiki-



「うぉ―――――!!ちょぉ美人ジャンっ」

「……桜庭憐」

騒がしい中、ポツリと呟く。

コンドーさんに「席はあそこな?」と呟かれ、頷いた。
席に着くと、周りのヤツに話しかけられる。

「キミ、かわいーね。
オレは田中藍羅。白龍の幹部なんだ☆」

「バッ!怖がるだろ?
ごめんな?オレは朝倉明。
憐チャン……でいいよね?」

怖がるって何が?
怖がる要素なくない?

「いいけど。
怖がるトコあった?」

怖いモノなんてないけど。

「白龍って聞いても怖くないの?」

あぁ、族だから?
あたしだって族だし、こわくない。
なんて口が裂けてもいえない。

「全然?何、こわいって思ってほしかった?」
ニヤッ、と笑ってみせる。