屍鬼-shiki-



「ッ、ありがとう――――」

泣きながら、涙を拭う。
えっ、なんで!?


「あの……助けてもらえなかったら……私……私……」

あぁ、そうか。
女ってこんなに弱いモンなんだな……。
あたしの頭の中にそうインプットさせた。


「大丈夫。……きっと守ってくれるやつが現れる」

そういうと、手を引いた。

「家。どこ?」

そう言って微笑んだ。



「……あの、ここです」

そう言って女はペコリと頭を下げた。


「名前聞いてもいいですか?……私は瑠那です」

んーなんて答えればいいかなぁ。

「……屍鬼だ」

そう言って、じゃぁなと告げた。