屍鬼-shiki-



「ヒッ、リーダー!!
何者だ!!……クッ、退くぞ!!」

そう言って去ろうとする。
バカめ。


「……逃がすかよ?」

ニヤッ、と笑って見せた。

痛々しい音が響く。
勿論あたしが殴った音。


あたしは女を見た。

泣きながら、震えていた。


「大丈夫か?」

あたしは優しく囁く。

「立てるか?……送ってやる」

あたしは手を差し伸べた。