分かる人間にはわかるのね。うれしい。素直にセンスの良い子、すき。

「ボクもう、ゆり先生て、センスいいんだな、て。あの前下がりのボブが…」

うんぬんかんぬん。

あたしは自身のセンスをほめられた時点で、もう満足。聞いちゃいない。


「で、どうして下川くんがキレイになりたいの?」

ま、今のままでも、見ていられないブサイクではないし。

むしろ、チワワみたいな目や薄い唇、すべてのパーツ小さくて愛らしい。

それなりに可愛くて、女子にもてるのでは。

「ボクは、可愛いじゃなくて、キレイになりたいんです!」

「そ、そうなの」

あたしは下川くんの迫力によろけそうになる。