キレイになりたい。 自分を好きになるために、あたしはキレイになりたい。 新しい可能性を自分の中に発見できるから。 オードリー·ヘップバーンでなくて、良いの。 しばらくの間、ヘップバーンみたく堂々と背筋を伸ばして表現したいの。 花崎ナミという女の子を、ほんの少し自信を持って、見せていきたい。 「ナミ」 家の前まで来たら、見慣れた長身の影が足元にのびていた。 「ヒロ」 「ごめんなさい!」