ヒロ……キレイなあたしを守ってはくれないのか!?


逃げたヒロの臆病さに、だんだんと腹が立つ。



濡れた前髪を拭っていたら、また女子たちのクスクス笑いが起こる。


せーかく悪過ぎ。


そう言ってやろうとした時、見回りの教師の声がした。女子たちは、急いでトイレから出ていく。



あたしも、行かなくちゃ……。でも思うように足が動かない。


もがくように手を動かして、あたしは暗闇の中に落ちていった……。