「ナミ…お友達、多いんだね」

おい。

おいおいおい…置いてかないでよ~!


気づくとあたしはヒロから引き離され、女子トイレの便器の前に立たされていた。


「あら、パンダみたくなったんだ?」

明らかに、この女子軍団は、あたしに悪意をもっている。


今まで、静かにおだやかに学園生活を過ごしてきたあたしが……。

い、イジメ、ですか……?

「ああ、この子、なんか化粧してんじゃない」

「うわうわ~、似合わない化粧なんて、しちゃってね、気持ち悪い」

「むかつくんだよね、ハンパなく、男に媚びてるっていうか」


あのあのあの…いつ、どこで、だれに媚びましたでしょうか???


はっ。

これはまさか、ヒロの「ファンクラブ」とやらでは。

「ブッサイクが、ヒロ先生の周りをウロウロしないでよね!」


えええええーーー?

有無も言わさず、あたしのボブの髪はつかまれて、トイレの個室に連れて行かれる。


べ、便器。

と思う間もなく、あたしは便器に頭を突っ込まれていた。



ごぼっ。

すぐに引き上げられるも、目を開ける間もなく、もう一度、便器に顔を押し込まれる。