「あ…」
瞳を開けると、あたしの細い目がぱっちり、ハッキリ見えて…何となくだけど……。
「あたしじゃないみたい」
「ナミ、間違いなく、あなたよ」
メイクでこんなに変わるんだ……。
あたしはイラストを描くのが好きだから、絵に色を入れた時の感動を知っている。
あんな感じだ。
「面白い……」
「もう少し、印象を変えていくわよ」
ゆり先生がまぶたにアイチップとやらで色を入れていく。
黒のアイラインに加えて、まぶたに深い陰影が加わって、あたしの目チカラはパワーを増した。まつ毛は上にカールしてクルンくるん。
「ナミ、全然、変わるね」
ヒロが、ひゅうっと口笛を吹いた。
眉毛をきれいに小さなはさみで整えてもらい、眉をゆり先生に描いてもらうと、外国映画の女優さんみたいな目元になった。
「なんとかいうオードリー? に似てる」
「オードリー·ヘップバーン?」
自分で言うのも、なんですが!!!
あたし……化粧すると美人カモしれません!!!


