だけどですねぇ。
ボクは知っているんですよ。ゆり先生が諦めてはいないこと。
ボクたちが卒業したら、また新入生が恵学園高等部に入学してくるでしょ?
そうしたら、
ゆり先生は、絶対にキレイにしたい子を見つけるんだ。
そうして、
花崎さんみたく、
その女の子はキラキラと周りを取り巻く空気から変わるように、
綺麗な蝶に変身していくんだ。
ボクも、その時に立ち会いたかったよ。
今、恵学園を卒業して、ボクはますます美容に夢中。専門学校は、なんとか両親を説得して入ることが出来たんだ。大学に行ってくれ、と、ずいぶん泣かれたんだけど、
ボクは、めずらしく譲らなかったんだ。
ゆり先生がもうすぐ結婚するんだってさ。
招待状が、ボクのところにも来ていた。
「早くナミのヘアのセットくらい出来るようになりなさい!」
そんな手書きのメッセージが付いていた。
ゆり先生らしいよね?