【下川涼太side】

やっぱりボクは脇役なんだな。

「キレイをつくるレッスン」が学校の化学実験室の火事のせいで、中止になってしまい。


ボクは本当にガッカリしたんだ。


一つ目の理由。

ボクはヘアメイクアーティストになりたくて。本当は恵学園みたく緩い普通科じゃなくて、技能がつく専門学校へ行きたかったんだ。

恵学園で、おしゃれに興味があって、それなりの技術や知識を持っていそうなのは、ゆり先生くらいだった。

だから、ボクはゆり先生から、沢山の知識を教えてもらいたかった。

ヘアメイクだけじゃない、

キレイになる方法を教えてほしかったんだ。



二つ目の理由。

ボクはボブカットの花崎ナミさんに、

恋をしてしまった……。

笑わないでください(怒)僕なんか相手にされないって分かってます。

でも、ボクじゃなくて、

「バーコード塚田」と呼ばれている、塚田先生に負けちゃうなんて。


ど~見ても、花崎さん、塚田先生の事、目で追っているもん。

やっぱり火事の時にいち早く気絶しちゃったのが良くなかったのかな?


せめて一緒に居る時間を多くとりたかったのに……。


「キレイをつくる保健室」では、なくなっちゃうなんて。