「おはよう」

ガラリと美術室の扉が開く。


捜していた顔。


「ここで話すのは、久しぶりだな」


塚田センセと話すのは、保健室ばかりになってたよね。



「なんか花崎が来ないと寂しくてな」


ホントに、この男性は、そう思ってくれていたのかな?


あたしは塚田センセの前に、ラフ画を差し出す。



「これ、……アートブックの中に、はさまってました」


それ以上、言葉が出ない。

塚田センセは、ラフ画を受け取った。


「ありがとう」


……何か言うこと、ないですか???




あたしは、


ラフ画の「れな」さんが、気になるんですけど。



「上手く描けてるかな?」