ナミが出ていった代わりにヒロがあたしの部屋に入って来る。 「ゆりさん、今日は大変だったね」 ヒロ。 あたしは、ベッドに座り、あたしの隣をポンとたたく。 ヒロは、黙ってあたしのとなりに座った。 「今日はヒロも大変だったわね」 火事の後始末だって、大変だったでしょ? あたしの瞳をヒロが真っすぐに見つめてくる。 「ゆりさん、無事で良かったよ……」 疲れた顔が愛しくて。 あたしは、胸のなかにある気持ちをヒロにささやく。 「ここで、キスして」