【ゆり先生side】


夕食後。


まだまだ夕食が終わりそうにない下川くんを残して、

あたしとナミは、あたしの部屋でお茶をすることにした。


ナミが、あたしの部屋を見たいとウルサくて。



あたしの部屋からは、礼拝堂が近くに見える。


「あの高い塔、何につかうんですか」



礼拝堂は、そのまんま、礼拝につかうのだけれど、


父と母が結婚式を挙げた場所でもある。



「ステキ……」


ナミは礼拝堂をうっとり見つめていた。


父が母と結婚した場所を残しておきたいから、あるんだよ。


そう伝えると、ますます、

「イイナ!」

だって。


あたしの母は、あたしが幼い頃に亡くなったから。


父は母のこと、今だに忘れられなくて。


「あたしが美しくなって、キレイになってからは、あたしを大事にしてくれるようになったの」


「えっ、ゆり先生て、昔からキレイだったんじゃナイの?」


ナミ、そう思ってたんだ。

「ね、先生の昔の写真、ないの!?」




写真……て、あぁっ!