【ゆり先生side】

家に戻るとヒロが待っていた。執事の黒沢があたしを出迎える。


「瀬名様がいらしております」

客間はいくつかある。ヒロは一番小さい客間で、小さくなっていた。


「僕はナミにきらわれちゃったみたいだ。…学園の英語教師を辞めるよ」


気弱なヒロ。ヒロを見ていると思い出す。よく似たヒロの死んだ兄。

あたしの好きだったひと。

「テルを忘れてないんだね」