「いらっしゃいませ、明かりの付いてい…」


音声案内の途中でオヤジは
203号室のボタンを押した。


「レナちゃん、ここでいいよね?」

その問いかけに

『どこでもいんぢゃん?』

と答え、エレベーターで
2階に上がり203号室に入った。


この辺のラブホにも、
“売り”事態にも、
とっくに慣れた

オヤジとヤるのに
抵抗なんてなくなった。

やりたいようにやらせて
3万もらってる。

一種のバイトなんだから
悪いなんて思ってない。


杉本 麗奈(すぎもと れな)
まだ16歳。
売り始めたのは半年前。

この年で稼ぐ方法なんか
売りしかないでしょ?

だから、あたしは売る。

別に親なんて居ないし
悲しむ人なんて居ない。

あたしの体はあたしの物

誰かに文句言われる筋合い
なんて一切ないんだ。


愛とか恋とかそんなんより
世の中はやっぱ金なんだ。


だから今日もいつもみたく
派手な下着きて化粧して
携帯と財布を持って
自分を“売り”に街へ出た。



そして、今ちょうど
ベットの上でオヤジが
ハアハアいいながら
あたしの体に白濁の欲を
吐き出しているとこ。



そう、あたしは
堕ちるとこまで堕ちた
片翼の飛べない堕天使。