そんなこんなで、ラブと出会ってから、
早くも1年が経とうとしていた。


僕は、ラブと出会った時の事を頻繁に
思い出すようになった。


ラブと出会ったのは、旅先だった。


僕は、前に付き合っていた彼女の事を引きずっていて、いわば傷心旅行だった。


ラブは、ひとりで旅行するのが初めてだったらしい。
旅行の理由はよく知らない。


僕らは旅先のホテルが一緒だった。


一人旅たけど、ちょっと豪華なホテルに泊まった。


ホテルには専用のビーチやプール、広い温泉があった。


夜のビーチには誰もいなくて、
僕は、出かけるでもなくビーチを歩いたり、
ベンチに寝そべったりしていた。


ラブは、そこに現れた。


僕は、なんとなく寝そべっていたベンチに座って、海を眺めていた。
綺麗な白い砂と、黒い海。


ラブは、お風呂上がりなのか、
メイクもしていなかったし、
長い髪は濡れていた。
リゾートで着るような長めのワンピースを着ていて、透き通るような白い肌だった。
一瞬、ハーフかと思った。


ラブは手にビーチサンダルを持ちながら、しばらく浜辺を裸足で歩いていた。

波の来るところで、ビーチサンダルを履くと、僕とは少し離れたベンチに座って、海を眺めていた。


僕は、チラチラとその様子を見ていた。



誰かと待ち合わせなのかな?



そう思って、しばらく声はかけなかった。