大輝が転入してきてから、五日がたった。

相変わらず元気に過ごす大輝。

『なぁつばさっ。俺、西校舎に行ってみようかなって思ってるんだっ!』
『はぁ!?西校舎ってあんた、私が七不思議で教えた場所に…』
『うんっ。本当かなって思って』

大輝はわたしの話しなんて聞かないだろうし……。

『分かったわ。でもあたしも行く。』
『え、危ないから外で待ってるって約束してよっ?』

はぁ……。自分が1番危ないっつーのに。

『分かったわ。』

約束をして、その日は帰り次の日に行くことにした。


大輝からきてる。

『本当に中には入らないでね?』

どれだけ心配してんのよ……。
私はあんたが1番心配だわ。

『大丈夫よ。』

そう返信した。


その日大輝からは来なかった。

次の日――――。

『ちょっと大輝っ!昨日…』

待てよ?
これを言ったところでなにがあるの???

単なる八つ当たりじゃない?

『ん?なに?つばさ。』
『あ、ううんなんでもないっ!』
『つばさ!?』

あたしは西校舎に向かって走った。
だってあたしが行けば、大輝は行かなくてよくなる。

『つばさ待てって!』

大輝を無視して走った。

西校舎に入ると、まだ大輝の声が響いていたけど、途中でピタリと止まった。

『大輝?』

あたしは振り返ったけどいなかった。

嫌な予感がよぎって、呼んでみた。

『大輝ーっ!?』

なにも聞こえない………。

『大輝ー!大輝!どこ行ったのよ……』

走った先に、倒れている人が目に入った。

『大輝っ!』

大輝だ。
どうしよう……あたしが西校舎になんか行ったから……。

『つ…さ、つ…ばさ?』
『大輝っ!』

早く、早く大輝を保健室に……。

『つばさっ!』
『しょうきっ!どうしよう…大輝が!』
『落ち着けつばさ。俺がおんぶするから。』

しょうきが来てくれて良かった。

しょうきは昔からの幼なじみで家も隣。
だから交流は多かったのだ。

『大輝っ!大輝っ!』
『つばさ、お前大輝が好きだろ』
『え……!?』
『うるせーよ。』

あ、つい大声を………。