ベランダの君

「…うそだろ…」


俺が座る席の三つ前の席に、その先輩と友達が並んで座った。


後ろ姿を見て、あまりのマンガ的シチュエーションに信じられない俺がいた。


「松本くん?どうかした?」

隣りの茜ちゃんが俺の顔を覗き込んだ。



「…ぃいや…ちょっと…」


先輩を凝視していた俺に気付いた茜ちゃんは、何かを悟った様だった。


「松本くん、あの先輩がどうかしたの?」