今隣にいるこの男に媚びを売って何になるんだろう。
あたしはそれで楽しいの?
急に虚しさが押し寄せてきた。
「…ごめん。
気分が乗らないから帰るね。」
えっ!?と間抜けな声をあげる彼に見向きもしまいで、一目散に雅也の所へ走る。
しかし、目に入ったのはあのヒラヒラ女と歩く雅也だった。
今から雅也はあの女のものになるの?
あの綺麗な手であの女に触れるの?
雅也の家まで着いて行ったあたしは完全にストーカーだった。
ここでぼんやり見てるようなあたしじゃないのよ。
よし、と気合いを入れて、雅也の部屋のインターフォンを鳴らす。
はぁーい!と高い声と同時に扉が開くと、大きなTシャツ一枚のヒラヒラ女が出てきた。

