雅也君だぁ?
睨み付けてるのに全く気づかないまま、雅也の前に走ってきた。
背が雅也の半分しかなくて、ニコニコしながら一生懸命雅也に話しかける彼女が可愛く見えた。
「あのね、今日私雅也君家に携帯置いてきちゃったみたいで…。
帰りに寄ってもいいかな?」
上目遣いで問う彼女。
私の中で女の感でピンときた。
あぁ…、なるほど。
わざとこいつ忘れ物したな、ってね。
「あー…、いいけど。」
「ほんと?!
ありがとう!
多分私の方が先終わると思うんだ。
家の前で待ってるね?」
パタパタ走り去って行く彼女を見ながら、何事もなかったように歩いて行く雅也に、ねぇ!と駆け寄る。
「あの人絶対わざと忘れ物したよ!
しかも、今日も家行くの!?
絶対泊まる気だよ!」
「うるせーな、お前彼女じゃねぇだろ。
わざとなんて知ってるっつの。
別にそんなんどうでもいい。」
「やだ!
私も夜泊まりに行く!」
「バカか、おかしいだろ。
今日は用なし。とっとと帰れ」

