ブラックデイズ


あたしには、
ずっと探していた幼馴染がいる。

あれは小学校1年生の時だった。
あたしが学校から帰る途中、
雨のせいで滑って転んだあたしは
一人で泣いていた。

「・・らちゃん!愛羅ちゃん!」
「あ、リュウくん。」
「大丈夫?どこもケガしてない?」
「うん。でも・・・」
「・・あ、愛羅ちゃんの将来の夢カード」
「泥まみれになっちゃったよ・・・。」
「愛羅ちゃんは、大きくなったら
何になりたい?」
「あたしは、可愛い高校生のお姉さんになる!」
「愛羅ちゃんならなれるよ」
「うん!リュウくんは何になりたいの?」
「僕は・・・
お父さんみたいなカッコイイ車に乗って
走り回りたい!僕は弱いからみんなにすぐ
バカにされるんだ。だからいつか、
僕が大きくなったとき、絶対強くなって
愛羅ちゃんを守るんだ」
「リュウくん・・・。」

それから、あたしの幼馴染は
東京へと引っ越してしまった。
あたしも高校生になって、東京にきたから
まだ見つかってない。
どこにいるんだろ・・・。




「愛羅ちゃん!」
「あぁ、リョウ」
「学校終わったらさ、龍樹が来いって」
「うん、分かった。」
「じゃぁね」

なんだろ・・・。

そしてまた憂鬱な学校生活が始まる・・・。
本当に、嫌だ。
あたし、死ぬ前に思い出作りのために
街に出かけたんじゃなかったっけ?
なんで学校なんかに向かってんだろ。


あたしは授業に出ることもなくまた早退した。
そして朝言われた通り、
昨日の黒い謎の部屋の居場所へと
向かっている。

「龍樹」
「あぁ、なんだ、もう来たのか」
「うん。早退したし」
「そうか。入れ」
「うん・・・。」

なんか・・・今日の龍樹、
昨日と雰囲気違う。
急にあたしのこと攫ってきたとか
走らせるとか守る・・とか・・・。
変なことばっかり言ってる龍樹とは別人に見えた。

「・・・」

ていうか何この沈黙!
こういうの苦手なんだけど・・・。

「・・・りゅう・・き?」
「あ?」
「あ?じゃなくて・・・何?」
「あ、あぁ、・・・」

どうしちゃったの?
マジで変だよ。龍樹。

「あのさ」
「うん」
「・・・お前」
「うん」
「今日からBlackの女番長をしてくれ」
「・・・・は?」