「尚道おはよ」

鞄を机の横に掛けながら横目で尚道くんを見ていた私の視界に同クラの男子が入ってきた


名前は確か…大塚 大輝<おおつか だいき>くん



優香情報によると尚道くんの親友で幼なじみ



「おはようございます。」



きた。尚道くんがモテない理由①


敬語で喋る



親友の大塚くんに対しても敬語を使用




だからもちろん他の人に対しても敬語で喋る



「朝からよく本なんか読むよなー。お前もたまには運動しろよ」



確かバスケ部の大塚くんはクラスの男子の中心的存在。部活でも1年の中で1番上手らしい。



性格浮きまくりの尚道くんが男子の中でハブられないのはきっと大塚くんのお蔭なんだろうな…




「俺は運動はあまり好きではないので。」




読んでいた本を閉じ、立ち上がりながら尚道くんは大塚くんとのちぐはぐな会話を続ける。




「それより大輝は髪を黒くするべきだと思います。丘上高校校則第14条により髪の染色及び脱色は禁じられていますので。」



まただ。尚道くんがモテない理由②


生真面目



校則を端から端まで完璧に覚えているあたり…




穏やかに大塚くんの校則違反を指摘



確かに大塚くんの髪は完璧に染められて見事な茶色だ。




「仕方ないだろ。朝起きたら髪が勝手に茶色くなってたんだから。」



いくらなんでも少し無理がある言い訳をする大塚くん