西条は再び目を覚ました。

む…いつの間にか二度寝をしていたのか。

窓からは、すっかり明るくなった外の光が、薄っすらと部屋へ差し込んでいた。
西条はカーテンを開けると、三階から望む外の景色に目を遣った。
眼下には研究所の中庭に当たる広場があり、花壇やベンチ…更には噴水まである。
研究員達が、憩いの場として利用している所だ。
ちょうど窓の下を二人の若い研究員達が、会話しながら通り過ぎて行くところであった。
西条は欠伸混じりに伸びをすると、再び外の景色に視線を戻した。

その瞬間、西条の体はまるで凍りついたかのように、その動きを止めた。