西条は身を翻すように飛び起きた。

ま、またか…
一体これは何なんだ。

しかしいくら考えてみても、頭の中で聞いた声は、何を言っていたのか思い出せなかった。
何やら会話を聞いていたのは覚えている。
それに聞き覚えのある声が混ざっていたのも、微かに覚えている。
だが、どんなに記憶を辿っても、全く詳細には至らなかった。

西条はまたもや混乱したまま、何気に時計へと視線を移した。

午前三時。

西条はハッとした。
再び午前三時。

偶然なのか?
それとも何か意味でもあるのだろうか…

しかし西条は、その考えを自ら一笑に伏した。

ふん、馬鹿馬鹿しい。
こんな事に、何の意味があると言うのだ。
ただの偶然だ。
きっと体が決まった睡眠時間で目を覚ますよう、習慣付いていただけに過ぎん。
この前も同じような時間帯に眠り始めたからな。