この研究所の敷地には、医学研究所も併設されており、最先端の医療機関並の設備を誇っていた。
ここは研究員達の診療所も兼ねていて、入院施設まで整っている。

互いの研究所は渡り廊下で繋がっており、10分と掛からず西条は到着した。
入り口で受付の者に案内され、検査用の部屋へ通される。
中では既に準備が整っており、そこには山西の姿もあった。

「教授。こちらが検査を担当する佐藤教授です。佐藤教授は脳外科の権威ですから、どうぞ安心してお任せ下さい」

山西に紹介された佐藤教授は、まだ五十代半ばだが、髪は白く染まりきり、割と端正な顔立ちに中肉中背と言った容貌である。