放課後、真夏の蒸し暑さと戦いながら帰途に着く。
長い黒髪を天辺で結んでも汗で首周りにくっついてしまう。
「暑い…」
テスト期間という事もあり前日は遅くまで勉強していたせいなのか、暑さのせいなのか分からないが思うように前に進んでくれない。
それどころか、フラフラしているのは気のせいだろうか。
(やばい…)
目の前に暗闇が襲った瞬間コンクリートへの痛みを覚悟した。
しかし痛みはいつまで経ってもやってこない。
なぜか確認しようとしても目蓋が持ち上がらない。
(いっか…)
そして諦めたと同時に意識は完全に闇に落ちた。
