予備校をサボる事に決めた二人は途端に超ヒマ人になった。

「これからどーする?」

「ナンも浮かばねーから何するか決まるまでお前んチでストツーでもやるか」

「またかよ」

ヒマになった時のテンプレートな会話を交わし、実家を出て一人暮らしをしている辻霧のアパートへ二人で行く事にした。

辻霧のワンルームの部屋にあがるとそこは見事な汚部屋(おへや)である。

万年床の周りに物とゴミが散乱して床はどこにも見えない。

「ちょっとは掃除しろよ」

「してキレイになったのが今のこの状況なんだよ」

この会話さえもがいつも通りのテンプレートなのだった。