でも、あんずも同じくらい
早く来るなんて……なんか
ちょっと、嬉しいかも。



「そんなに、オレに早く
会いたかった?」



そう言って頭にポンと手を
乗せてやると、あんずは
恥ずかしそうに『もう〜!』
と頬を膨らませた。



――かわいい。


やっぱ、オレの大好きな
あんずだ。



(心配なんて、取り越し
苦労だったかな――)



オレは幾分安堵して、
ホッと息をついてから
軽やかに言った。



「さ、行こう。

すっかり日が短くなったからな。
時間がもったいない!」


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