あんずはピクッと頬を
震わせてオレを見つめる。
でもしばらくすると、
スッと視線をはずして、
「……でも、たぁくんが
あたしに何か隠してるのは
間違いないよ。
大学のことも聞いても
はぐらかされてたし、家の
ことは、嘘までついて……」
「そ――それには、何か
事情があるんじゃないのかな」
(嘘がつきたかったわけ
じゃない。
あんずを騙すのなんて、
本当は嫌だ。
だけどそうまでしても、
手に入れたかったんだよ)
「――事情? 事情って何?」
「それは――…!」
_
震わせてオレを見つめる。
でもしばらくすると、
スッと視線をはずして、
「……でも、たぁくんが
あたしに何か隠してるのは
間違いないよ。
大学のことも聞いても
はぐらかされてたし、家の
ことは、嘘までついて……」
「そ――それには、何か
事情があるんじゃないのかな」
(嘘がつきたかったわけ
じゃない。
あんずを騙すのなんて、
本当は嫌だ。
だけどそうまでしても、
手に入れたかったんだよ)
「――事情? 事情って何?」
「それは――…!」
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