「すごいよ、ドラマ
みたいな展開じゃない。

自分を助けてくれた見ず
知らずの男と、そのまま
恋に発展しちゃうなんてさ」



先輩は、自分がその原因を
作った張本人だっていうのに、
まるで楽しむように
ハハハと笑ってる。



でももちろん、本気で感心
してるわけじゃない。



言葉の端々から、何だか
バカにしてるような感じが
にじみ出てた。



「……先輩には、関係ない
ことです」



あたしは暗い声で
そう返すのが精一杯。



でも自分でもハッキリ
わかった声の力の無さに、
先輩も当然気づいて、


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