と、ここだけ聞くとまんざら
嘘でもないと思いながら、
オレはもっともらしく説明する。



｢ホントは朝からでも
あんずに会いたいんだけどさ。

ゴメンな……｣



｢……………｣



あんずは何も答えない。



何だか感情の読み取れない
微妙な顔つきで、ジッと
オレを見てる。



(……う、疑ってんのか？)



｢何だよ、漬け物なんて
ジジ臭いとか思ってる？

オレだって家業だから渋々――｣



｢……それ、本当？｣



｢えっ!?｣



オレの言葉を遮り投げ掛け
られた問いに、スッと背中が
冷たくなる。


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